柊の庵

小さな庵から花、旅、食、猫のことをつらつら綴る他愛もない日記。

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再生への旅

     社会人3年目の時のこと。
     理想と現実のギャップや母親の病気、人間関係の難しさで
     ストレスが溜まりまくって、顔には吹き出物がたくさんできて
     寝ても寝ても疲れがとれなくて、いつも体は重くて辛くなってしまった。
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     上司に頼んで、月曜日から金曜日まで有休休暇をもらって
     その前後の土日をつけて9日間、同期の友人と二人で旅に出た。
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     上野から夜行寝台に乗り込み、函館、札幌、稚内とJRを乗り継いて   
     稚内のユースホステルで一泊。
     翌日の早朝のフェリーで着いたのは礼文島。

     礼文島ってどんなとこ?という方は ⇒ こちら をクリック。
       
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     6月から7月初旬は『花の浮島』と呼ばれるくらい
     めずらしい固有種の花が咲き乱れる島。
     花の季節は終わりかけていたけれど、島を歩いていると
     あちらこちらにレブンウスユキソウ(エーデルワイスの一種)が
     可憐な花を咲かせていた。
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     久しぶりにアルバムをめくったら、島を2日間もハイキングしたのに
     丘の写真が少ないのは、島独特の強い風に向かって歩いていたので
     途中、めげそうになって歩くのがやっとだったから。
     それでも、がんばって海岸線のメインの道へ辿り着くと
     どこまでも透き通る海が広がっていて、一気に疲れも吹き飛んだ。        
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     夏の礼文島は雲丹漁がさかん。
     宿の夕ご飯に出された旬のバフン雲丹(形が馬糞に似てるから)に
     舌つづみを打つ。 臭みもなく色が鮮やかな橙色。
     こんなに美味しい雲丹を食べたのは後にも先にもこの時だけ。
     写真がないのは、別の意味でそんな余裕がなかったから。
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     夜9時をまわると、物置小屋の2階でランプを灯しての宴。
     みんな、ひとり旅の人ばかりで二人旅はうちらだけ。
     でも、焼酎の麦茶割りを呑みながら、北海道のレアな情報なんかを
     交換し合っていると、いつのまにか打ち解けてしまう。

     ちなみに、左端に立っている青いジャンパーの男性。
     なんと、鹿児島の最南端、佐多岬から歩いて日本縦断の旅をし
     本州の真ん中、長野県の実家で1週間静養し、再び北をめざし
     確か3か月かかって目的の地、礼文島にこの日辿り着いたのだとか。
     もう、この夜は彼の旅の話しでもちきり。

     島の風景の素晴らしさもさることながら
     彼に出逢えただけで、この旅はものすごく想い出深い旅になった。
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     島を旅立つ朝は、港でみんなが見送ってくれる。
     船に乗り込む時にひとりひとり握手してくれて
     それだけでも、弱っていた心と体に沁みたのに
     出航して姿が見えなくなるまで、大きな声でずっと叫んでいてくれて。
 
     あぁ・・・ だめだ・・・ 
     あの時のことを想い出すと鬼の目にもナントカが・・・


     
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     礼文島の次に向かったのは美瑛。
     マイルドセブンのCMに使われたから、マイルドセブンの丘。
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     当時は全然有名じゃなくて、こじゃれたカフェやペンションなんて
     一軒もなかったし、大型のツアーバスなんて一台も見なかった。
     ケンとメリーの木にも、もちろん自分たちだけで他には誰もいない。
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     遠くに見えるのは、セブンスターの木。
     サイクリングしていたら、畑で休んでいたおじさん二人から
     『あんたたち、東京からこんなとこに何しに来たの?』
     と笑われてしまった。
     
     7月の美瑛はラベンダーもいいけど、白と薄紫のジャガイモの花と
     黄金色に波打つ麦畑が圧巻。



     そして、この旅の連れに旅から帰ってすぐに打ち明けた。
     『あたし、来年会社辞めるわ。そんで、ひとり旅にでる。』


     こうして風来坊な人生が幕を開けるのだった。




       111-99.jpg
          ぐうたらダメ人間ができあがるまでの
          こんな長い話 誰も聞いてくれないにゃ・・・・・



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Comment

 

素敵な旅だなぁ。「旅行」ではなく「旅」ってイメージ。
いろいろな人に出会うって旅の楽しさの一つだよね!
でも私はヒトミシラーで話しかけられないのよね。

ぐうたらじゃないよー。
私より全然しっかりしてる( * ̄▽ ̄)σ
  • posted by ふく太郎 
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  • 2013.08/30 12:20分 
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NoTitle 

こんばんはー。
思い出の詰まった素敵な写真ばかりですね。
美瑛は観光客は増えたけど景色は変わりませんね。
礼文島は道民でもなかなか行けない島です。
逆に都会の人の方が多く訪れてるのかもしれませんね。
ひとり旅なんてすごい。私できましぇんヘタレで(>_<)
  • posted by もちこ 
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  • 2013.08/30 22:26分 
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NoTitle 

あ~、これは・・・
その当時の、つまり昔のお写真なのですね。

北海道・・・行く予定で計画を立てていたら・・・
家庭内に非常事態が勃発し、断念(涙)
もう、10年以上前のことですが(笑)
  • posted by あめぶら 
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  • 2013.08/31 12:41分 
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NoTitle 

礼文島は私も20年以上前に行きました。礼文島で食べた浜ラーメンが私の「人生の一杯」です。未だあのラーメンを超えるラーメンには出会えません。

稚内で食べた「流氷ラーメン」も美味しかったです。流氷のような形のかまぼこ風の食材がたくさんのっていました。ちょっと辛めの醤油ラーメンでした・・・って北海道の思い出はラーメンの思い出ばっかりなんです。

人生、リセットしてやり直すべき時がありますね。私も何度か・・・。
  • posted by あにもも 
  • URL 
  • 2013.08/31 22:09分 
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おへんじ。 

□ふく太郎さま
アタシもヒトミシラーだから自分からは
あんまり話しかけないよ。
この旅は個性的で経験豊富な人がたくさんいたから
話し聞いてるだけですっごく楽しかったの。

□もちこさま
この旅に出なかったら、かなりヤバかったかな
と言うくらい追い詰められてて
自分のことを知らない人ばかりの場所に身を置きたくて。
翌年の北海道ひとり旅は人生の転機になりました。

□あめぶらさま
そうです、うん十年前の色あせた紙焼き写真を
スキャンしてブログに載せてみました。
美瑛の写真は、カテゴリー【旅の回想録】に
いくつかありますので、よろしければどうぞ~。

□あにももさま
礼文島行かれたことあるんですね。
礼文の浜ラーメンを越えるものがないんですか!?
私はずっと島を歩いていたので食堂には入らずで
今思うと惜しいことをしました(^_^;)
「リセット」と口実つけては放浪の旅ばかりしてきたので
オオカミ少年のごとく、友人は誰も心配してくれなくなりましたw
  • posted by 鳴兎 
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  • 2013.08/31 23:23分 
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NoTitle 

いいですねぇ〜〜若い時に、いっぱい時間つかっていろんな体験するって一番の贅沢だし、お金で買えないものの一つですもんね。
人間の深さや、幅や、、諸々は、こういう測ることができない経験でできて、いくんじゃないかなぁと思ったり・・・
鳴き兎さんが、落ち着いた方でとっても素敵な雰囲気の方なのは、こんないい旅をされていたからなんですね〜
柊平くん、いいね〜
  • posted by sakusaku 
  • URL 
  • 2013.09/01 14:59分 
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おへんじ2。 

□sakusakuさま
いえいえ、ほんとに行き詰っていたので
自分のことを知らない人のいる場所に
身を置きたかったのです。
大学時代の友達からは「逃げてるんじゃないの?」
とまで言われました。
その友達は就職して1年半で結婚に逃げたんですけどね。
  • posted by 鳴兎 
  • URL 
  • 2013.09/01 19:13分 
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NoTitle 

こんばんは。
人生の原点探しの旅でしたね。
静かな美瑛の写真が懐かしいです。
ポストカードとブログアドレスの件、了解です。
よろしくお願いしますね。
  • posted by ノリかめ 
  • URL 
  • 2013.09/01 19:46分 
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おへんじ3。 

□ノリかめさま
【読売旅行】という旅雑誌の北海道特集の中で
美瑛という街を知りました。
白黒の小さな記事でしたが、なぜが吸い寄せられて。
以前は拓真館で、床に座ってコーヒーを飲みながら
ビデオをのんびり見るのが好きでした。
例の件、ありがとうございました。
  • posted by 鳴兎 
  • URL 
  • 2013.09/01 20:54分 
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ほぼご満悦な日々。

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